多摩科目では、明星大学が立地する「多摩」という地域を多角的に理解することを目的としています。多摩科目では、授業で扱った内容から知識を増やすことを目的とはしていません。「多摩」は単なる明星大学の所在地であることにとどまらず、皆さんには多摩地域を理解することで世界を見渡す目を育て、将来の展望を持ってほしいと願っています。「地理学で知る生活・文化・環境」では、生活の中で皆さんが当たり前に接している物事から、地理学の世界が広がっていくことを学びます。「都市という空間」「スポーツを通して地域を学ぶ」「サスティナビリティと人類社会」では、地理学の視点から、複数の先生方と専門分野をクロッシングしていきます。
「地元には何にもないんだよね~」という人によく出会います。本当に「何もない」ですか?地理学は地域の特質を見出す学問です。私は人の生業や価値観といったものが地域の変化に与える影響に関心を持っています。主に多摩や武蔵野といわれる地域をフィールドに、「何もない地域」がある時「観光地化」するのはなぜ?「トカイ」と「イナカ」の境目ってどうなっている?といったことを考えています。
私は畑や雑木林が新興住宅地と共存する武蔵野台地の片隅で育ちました。まさに「何もない」地域でした。その畑で農家の方が放った言葉が忘れられません。「ここに見物人が押し寄せたら俺たちの生活はどうなる!?」と。近所の「歴史的な」町並みはいつしか人が押し寄せる「観光地」になりました。見慣れた「イナカ」の景色が「トカイ」に変わっていくのを目の当たりにしてきたことがこの研究をはじめた原点かもしれません。
木曜3限(要事前メール)
旅に出よう!目的地はどこでも、今いる場所から離れたらどんな景色が見えるか確かめに行きましょう。外国でも良し、国内でも良し。道中では移り変わる景色を楽しもう。途切れることなく続く景色を見ながら考えよう。