約4億8千万人が母語として使用し、スペインだけでなくアメリカ合衆国や日本にも話者が存在します。コロンブスによる新大陸「発見」以降、キリスト教の布教と征服事業の過程で、中南米にも広まりました。スペイン語・スペイン語圏は、その社会的・文化的広がりや地域的特色の多様性、他言語との影響関係など、多様で複雑な様相を呈しています。経済面でも、自動車・重機関連、商社、金融、インフラ事業など、様々な職業において重要な役割を担っています。
スペイン語科目では、初級から上級までのスペイン語学習を通して、学生がスペイン語話者(同時に英語や先住民言語など、複数言語の話者であることもあり得る)の視点を獲得しつつ、スペイン語とは異なる言語を用いる自らの視点も、様々な専門分野やテーマ・地域的角度を交えながら相対化・変化させていく、という異文化理解の醍醐味を体験できるような教育体制の構築に努めています。これにより、地域社会と国際社会双方の発展に柔軟かつ経験的に寄与しうる教養をもった人材の育成を目指しています。
授業は、1年生から3年生まで、基礎(スペイン語文法)と応用(スペイン語会話・作文練習・講読)の往還を軸としつつ、十分な時間的余裕をもって履修者が学習できるよう、ゆとりのあるカリキュラムとなっています。1年生科目に関しては、2年生以上も履修可能です。すべての授業は、文法知識の説明とペア・ワークやグループ・ワークを通して、学生―教師間、学生―学生間で双方向的にスペイン語を学習しつつ、社会文化的項目も学んでいける内容となっています。
さらに、2025年度より、4年生の上級科目では、スペインのサラマンカ大学外国人コース専用テキストの日本語版『エレラボB1(Español ELElab Universidad de Salamanca: nivel B1 Versión japonesa)』(朝日出版)を使用し、様々な専門分野やテーマ・地域的角度から、より深く、より実践的に、複言語・複文化コミュニケーション能力を磨いていける機会を提供する予定です。
到達度のめやすとして、1年生から3年生までの一連の授業(①文法中心のA科目「スペイン語1A・2A・3A・4A」と、②演習中心のB科目「スペイン語1B・2B・3B・4B」、③3年生の「中級スペイン語」)をすべて受講することで、スペイン語の一通りの文法(直説法と接続法の双方)を学ぶことができます。加えて、4年生科目の「上級スペイン語」まで受講すれば、ヨーロッパ言語共通参照枠(英語:CEFR /スペイン語:MCER)B1レベルの複言語・複文化コミュニケーション能力を実践的に身につけ、さらに磨いていくための学習機会を得ることができます。
ご所属の学部学科・学年等関係なく、スペイン語・スペイン語圏に少しでも興味のある方、そして日本語・日本語圏とは異なる言語・言語圏の学習を通した異文化理解に興味がおありの方は、ぜひスペイン語科目群の履修をご検討ください。
現時点(2024年度)では、図書館にスペイン語で書かれた絵本やスペイン語圏の映画、さらにはスペイン語圏のレシピ本まで、多数のスペイン語・スペイン語圏関連の書籍・DVDを配備し、貸し出しを行っています。これらの書籍・DVDは、授業でも活用し、学生のみなさんの多様な関心に沿いつつ、みなさんが視野を広げ、スペイン語・スペイン語圏の理解を深められるよう、支援しています。
加えて、課外活動として、スペイン語を第一言語(「母語」)とする先生のもと、文化紹介も含めた会話講座を実施しています(※実際の開講状況は年度ごとに変わるので、担当教員までご連絡ください)。スペイン語未履修の学生も参加可能なので、気軽にご参加ください。
公用語の国が多いので将来に役立つと思った。(経済学部1年 S.Hさん)
ペアワークが多く、実際に口にしたり、耳にする機会が多く、より語彙の習得がしやすかったと感じている。(人文学部1年 T.Kさん)
他のラテン語起源の言語(ポルトガル語、フランス語、イタリア語)にも派生して考えられるようになったことです。海外旅行の選択肢も広がりました。(心理学部2年 R.Wさん)
自分の知らない知識を得ることがここまで楽しいことだとは思っていませんでした。(人文学部2年 N.Mさん)
文化の違いや価値観の違いを知ることができて、視野が広がったと思う。(教育学部1年 E.Oさん)
スペイン語圏の国に興味を持てたこと。新しい言語を学ぶことができたこと自体が楽しかった。(理工学部1年 Y.Sさん)