私が購読している「ふぇみん」(※)という新聞の2020年12月15日号に、「ぷるんぷあん いちごヨーグルトあえ」というレシピが載っていて、美味しそうだったので作ってみました。「ぷるんぷあん」とは乾燥糸こんにゃくの商品名です。「ふぇみん」の説明によると、インドネシアの高地に自生しているムカゴこんにゃくを原料にした糸こんにゃくで、農薬・化学肥料を使用せずに落ち葉の堆肥だけで栽培されたムカゴを使用しているとのことです。
レシピには次のように書いてありました。
①ぷるんぷあんを熱湯で戻して食べやすいサイズにカットし、白ワイン大さじ1をかけておく。
②いちごをフォークなどでつぶし、ヨーグルト200gとぷるんぷあん、練乳小さじ2とよく混ぜて、冷やして食べる。
糸こんにゃくにヨーグルト。日本にはないスイーツで、斬新な味でした。
このぷるんぷあんには、ある日本人の想いが託されています。ぷるんぷあんの販売会社である「トレテス」によると、インドネシアで敗戦を迎えた元日本軍兵士である故・石井正治さんが、インドネシアと日本の架け橋のため、そして貧しいインドネシアの農民の自立のため、20年以上の歳月をかけて開発されたそうです。石井さんは、こんにゃくを食べる習慣がないインドネシアにおいて放置されていた、品質の高いムカゴこんにゃく芋栽培の技術指導を行ってこられました。ぷるんぷあんは今日、石井さんの反戦の想いとともに、日本の食卓に届けられています。
「ぷるんぷあん」とはインドネシア語で「女性」を意味するそうです。ぷるんぷあんの製造も多くの女性たちが担っているようです。日本で売られているぷるんぷあんは、インドネシアの女性の就労支援につながっています。身近なところからできる国際協力、皆さんもぜひ探してみてください。
「ふぇみん婦人民主クラブ」という日本のNGOが発行している新聞。女性の手による女性のためのメディアとして発信を続けている。ちなみに「婦人民主クラブ」とは、戦前から日本の女性解放運動に取り組んできた佐多稲子、加藤静枝、羽仁説子らの呼びかけによって1946年に発足した女性団体のこと。詳しくは「ふぇみん」HPをご参照ください。