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「ぱんきょう」の思い出(藤原愛)

  • 2021年04月01日

全学共通教育のホームページ作成にあたり、「全学共通教育ってなんだろうと」、今一度自分に問いかける機会となりました。全学共通科目は、大学によって名称こそさまざまではありますが、多岐にわたる分野から、幅広い知識と教養を得るという特色があります。ふと、自分は大学時代にどの科目を履修したのかと懐かしくなり、久しぶりに大学時代の成績表を引っ張り出してみました。

成績表を見返してみると、当時はまだ授業が通年科目だったので、科目数としては合計で9科目(1科目4単位)、それに外国語と保健・体育(「保健体育講義」と「体育実技」)が別に必修として課されていました。私の母校では一般教養科目という名称であっため、当時は「般教(ぱんきょう)」という言葉をよく口にしていたことが思い出されます。

さて、私の履修した科目ですが、「哲学」「心理学」「人類学」「人類言語学」「歴史学」「日本国憲法(法学)」「数学」「教育学」「コミュニケーション論」でした。自分が教員となった今、どの科目も奥が深く、一年間の授業で語りつくすことはできないであろうことは容易に想像がつきます。これらの知識が日常生活に役立つか、生きていく上で不可欠かなどと問われれば否定的な答えとならざるをえないでしょう。では「幅広い知識と教養」に触れる意義とは何なのでしょうか。

様々な答えがあると思いますが、ひとつは、自分にとっての「未知の領域」について認識することだと思います。全学共通教育の科目は大学生にとってまさに未知の領域を取り揃えたラインナップ。さて、ここで質問です。ある科目を履修し新たな知識を得ることにより、自らの「未知の領域」は狭まるでしょうか。

答えはノーです。逆説的ながら科目を履修することで、未知の領域はさらに拡大します。しかし、どうぞ不安にならないでください。ある未知の領域について学ぶと、必ずその先にまた未知の領域が広がるという事実に気付かされるはずです。それはみなさんの知識の幅が広がることにより自然に生じる現象なのです。新たなことをひとつ知る(学ぶ)と、今度はそれに関連した興味や疑問が生じるはずです。全学共通科目は、このように自分の「未知の領域」を認識し、広げていくことにうってつけの科目であるといえるでしょう。全学共通科目を通じて学生の皆さんが学びを深めてくれることを期待しています。

最後に、私が履修した一般教養科目について、どれとは言いませんが「優」が3つ、「良」が4つ、「可」が2つであったことを付け加えておきます。ああ、懐かしい。