2022年度に続いて、2023年度の「教育の明星」具現化予算に採択された、本ワークショップでは、本学の在学生が就職活動等を行う際に重要な、「相手の言うことを理解する、そして相手が理解できるように話す」訓練を、短い演劇を通じて行いました。「ロールプレイ」とは異なり、若干の状況設定の下で、参加者の役割が変化し、「思いもかけないこと」に柔軟に対処することが求められました。
今回も、プロ劇団「青年団」で演出に携わった、林成彦先生をお招きし、本学の劇団「時間ドロボウ」のメンバーがアシスタントとして加わり、10月16日から11月27日まで、学園祭をはさんで、毎週月曜日の5時限に28-602教室で、6回実施しました。毎回5名程度の在学生が参加し、3名程度のアシスタント、そして私も含めて教職員も参加しました。
第1回では、参加者の自己紹介と短い台詞を言い合うレッスン、そして第2回では林先生の指定する人物になりきった「質疑応答」、そして「椅子取りゲーム」を参加者同士で話し合いながら行いました。第3回では、4名程度のグループに分かれて、それぞれ1名のメンバーを「自分たちで考えた状況と台詞だけで椅子から立たせる」訓練を行いました。単に「この建物が火事だ」というような設定では逃げる動作に結びつかず、椅子から立たせることはできませんでした。
学園祭後の第4回では、参加者の近況報告に続いて、1名のメンバーに対して、「褒める、叱る、慰める」といった状況の下で、他のメンバーが短い台詞を考えて発するというレッスンを交代で行いました。第5回では、再び「椅子から立たせる」訓練を行いましたが、うまく行きませんでした。訓練後に林先生が講評を行うとともに、メンバー同士で改善点を話し合い、「もう一度やれば何とか」というレベルに到達しました。
第6回では、これまでの仕上げとして、林先生の指定する「想像上の職業」に各メンバーが就いているという設定で、短い準備の後に、10分程度のやり取りを、メンバーの構成を変えながら複数回行いました。たとえば「時間管理人」は、客の「美しい思い出」を「宝箱」に保管する仕事です。「想像上の職業」は、「実在する職業」よりも自由な発想を可能とし、豊かな内容のやり取りが期待できます。第6回の作業風景を3分の動画にまとめましたので、ご視聴ください。なお、林先生を始め、参加した学生全員から「全学共通教育委員会ホームページ動画掲載の同意書」に署名を得ております。
鈴木時男(社会部会)